高級腕時計ブランドのグループ図まとめ

時計全般

kevinです。

インフォグラフィックで高級腕時計ブランドをグループごとにまとめてみました。

資本関係で巨大ブランドグループを中心にまとめたかったので、独立系はほんの一例しか載せていません。

最近は、シチズンがブローバを買収したように、高級腕時計業界にもアジア系、特に中国資本が増えています。

その他にもアメリカ資本やイギリス資本、ドイツ資本などが有力なブランドを押さえています。

国別で仕分けても良かったのですが、収集がつかなくなったので、今回は世界三大ブランドグループとスウォッチグループを中心に分類しました。

ムーブメントについてもブランドごとの関係を図に入れたかったのですが、関係性が複雑なので今回は省きました。

その点については、また改めてまとめたいなと思っています。

それと、日本における代理店で選別はしていません。

 

高級腕時計ブランド勢力図

 

 

LVMHグループとは

LVMHとはルイ・ヴィトン・モエヘネシーの略。売上高300億ユーロの世界最大のコングロマリットです。

LVMHは大きく分けて5つの部門【ファッション・レザー、時計・宝飾、香水・化粧品、酒類、小売り】という形態です。

ベルルッティ、フェンディ、モエ・エ・シャンドン、ドン・ペリニヨンなども傘下です。

2010年よりエルメスの株式取得も進めていたが、2014年にエルメスとの間で、買収しないことで合意され、買収戦争は終了しています。

ケリング・グループとは

フランスのコングロマリットです。

ラグジュアリー業界ではLVMH・リシュモンに並ぶ3強でボッテガ・ヴェネタ、サンローラン、プーマも傘下です。

90年代に入り、リテール業にも進出し、PPRに社名を変更しました。

1999年にグッチグループNVを買収します。

2011年ソーウインドグループを傘下にします。

2013年に社名をケリングに変更しています。

スウォッチ・グループとは

世界最大の時計製造グループです。

創始者はニコラス・G・ハイエック氏です。

時計宝飾ブランド・製造部門・エレクトロニック・システム部門から構成されます。

元々は、ETA社を中心としたエボーシュSAという企業集団が始まりで、ブランドを買収してできたグループではないと言えます。

オメガを中心としたSSIHとロンジンを中心としたASUAGとETA社が合併して、SMHというグループができます。

それがスウォッチグループです。

時計製造メーカーというより、ムーブメント製造業者としての面のほうが強かったのですが、ブレゲやブランパンの買収により、飛躍的に成長し、高級時計業界における地位を確立しています。

ETA社、レマニア、フレデリック・ピゲ、ニヴァロックス・FAR社などをグループの傘下に持ち、ムーブメントやひげゼンマイを製造し、他社にも供給しているのが強みです。

リシュモン・グループとは

1988年に南アフリカの実業家ヨハン・ルパートにより設立されます。

スイスに本拠地を置く企業グループで宝飾品・時計・革製品・筆記具の4部門から構成されます。

クロエやダンヒルなども傘下です。

売上高の約半分を高級時計が占めています。

スウォッチグループに次ぎ、高級時計のシェアは世界第二位です。

WPHHグループとは

フランク・ミュラーを中心としたグループです。

先のブランド以外にも、時計工房や時計学校も傘下に持ちます。

ジュネーブにあるウォッチランドにて新作発表会を独自に行っています。

現在は時計以外に、テーブルウェアや家具、ウェディング事業なども手掛けています。

 

ロレックス・グループとは

ブランド別に見た時にロレックスがぶっちぎりで高級腕時計シェア第一位です。

チュードルはロレックスのディフュージョンラインとなります。

 

モバード・グループとは

モバードを中心とした企業グループです。

モバード自体は1881年にスイスで創業されたが、モバードグループは現在アメリカ資本で本社はアメリカにあります。

AHCIとは

独立時計史アカデミーのこと。

巨大資本には属さず、メンバーがそれぞれオリジナリティあふれる作品を世に送り出しています。

フィリップ・デュフォーやアントワーヌ・プレジウソ、F.Pジュルヌなどが所属しています。

日本人では菊野昌宏と浅岡肇が正会員として認められています。

カリテ・フルリエとは

資本関係ではなく、フルリエ地方に縁のある企業で始めた独自に精度検査基準です。

検査の中立性を保つため、第三者機関カリテフルリエ財団が担当しています。

エルメスはパルミジャーニ・フルリエの親会社サンド・ファミリー財団とボーシェへ資本参加しています。

資本関係で時計業界をグループ分けして見えてくること

世界三大ブランドグループとスウォッチグループが時計業界をリードしている

高級時計業界も世界三大ブランドグループと呼ばれる「LVMH」「ケリング」「リシュモン」が

ファッション業界と同様に牽引しています。

やはりスウォッチグループが時計業界シェア№1です。

リシュモングループは時計に資本を集中させているので、スウォッチグループに続くシェアを誇っています。

スウォッチグループは、最近では、新たにハリー・ウィンストンを傘下に入れたり、さらに巨大化しています。

何より、エタ社やニヴァロックス社を傘下に持つので、部品供給の面でも優位なのが強みです。

時計業界においては、スウォッチグループとリシュモングループの二大体制で落ち着くかと思われましたが、LVMHがウブロやブルガリを買収するなど、第三勢力の存在感も高まってきています。

そして、「ETA2010年問題」が勃発して以降、巨大資本による再編がさらに加速しています。

「ETA2010年問題」とは、2002年にスウォッチグループが、グループ外へのエボーシュ(機械式時計の未完成ムーブメント)の供給を段階的に停止していくと宣言した事件。

自社ムーブメントの開発も進み、時計業界においてマニュファクチュール化が進んだと言えます。

スイスの時計産業の歴史を紐解くと、元々、分業制で栄えてきたので、マニュファクチュールに固執するブランドは少なかったと言えます。

20世紀初頭の世界大恐慌やクォーツショックなどで、スイスの時計産業が大打撃を受けたことにより、多くのマニュファクチュールも競争力を失い、ますます外部からの部品供給を頼るという歴史をたどっています。

なので、「ETA2010年問題」によって、スイスの時計ブランドのマニュファクチュール化が進んだと言えるのではないでしょうか。

 

ケリングもソーウインドグループを買収するなどして、時計業界における地位を高めてきていることや独立系もマニュファクチュール化したり、タグ・ホイヤーがセイコーからムーブメントを供給してもらったりなど、各ブランドがスウォッチグループに頼らない戦略を進めているので、今後も時計業界から目が離せなさそうです(もちろん今も多くのブランドがエタ社やニヴァロックス社を頼っていますが)。

ブランド別だとロレックスが売上1位という事実

時計業界をグループ分けで見ると、ロレックスグループは小規模に見えるのですが、グループでの売り上げではなく、ブランド単体での売り上げで見ると、ロレックスが断トツの売上1位なのです!

巨大グループは、各ブランドの弱みをお互いに補い魅力を高めていますが、ロレックスは単体で他社を寄せ付けない圧倒的な売り上げを誇っています。

驚異的なことです。

独立系のパテック・フィリップやオーデマ・ピゲなどは生産本数を抑えているということもあるので、一概にロレックスがスゴイと言えるわけではありませんが、スウォッチグループやリシュモングループのブランドが売上1位ではないとうのは興味深いことです。

 

時計業界が拡大したのはこの20年の話

スイスの時計ブランドは数百年の歴史があり、100年以上の老舗ブランドは多数あります。

ですが、高級腕時計の売り上げが急激に拡大したのは、1990年代に入って、巨大資本によるグループ化が進められてからです。

そもそもクォーツショックで、80年代までスイスの時計産業は瀕死の状態にありました。

1983年にエタ社の一部門からスウォッチが発売になり、世界中で爆発的に売れて、スイスの時計産業は持ちこたえた側面があります。

今日のスウォッチグループが部品供給メーカーの統合を進め、故ニコラス・G・ハイエックの手腕により、スイスの高級腕時計が時計マニアや富裕層以外にも世に広まり、高級腕時計業界が拡大していくのです。

そして、現在のリシュモングループであるカルティエ、ピアジェ、ボーム&メルシエがヴァンドームグループを結成し、業界のグループの再編化が加速していきます。

スウォッチグループも、オメガやティソなどを擁していましたが、90年代までは部品供給メーカーとしての側面のほうが強いグループでした。

しかし、1999年にブレゲを買収し立て直したことにより、高級腕時計ブランドグループの様相を呈していきます。

創業者のアブラアム=ルイ・ブレゲが亡くなってからは精彩を欠いていたブレゲですが、スウォッチグループに入ったことで、世界三大腕時計ブランドに肉薄するほどまで復活するのです。

このように、高級腕時計業界がブラディングを進めて高級化路線になってきたのは、クォ―ツショック後なのです。

今後、腕時計業界がますます拡大していくのか、それともまた縮小していくのか・・・中国経済も減速気味ですし、各ブランドの生き残り合戦は激しくなりそうですね。