時計の販売スタイルの変化を感じるスウォッチグループのバーゼルワールドの出展取止めというニュース

時計全般

kevinです。

ニュース速報で入って来た発表はスイス時計産業界にとっては衝撃的でした。

スウォッチグループが2019年のバーゼルワールドへの出展を取りやめました。

私はこちらの記事から知りました→https://www.ablogtowatch.com/breaking-news-swatch-group-leave-baselworld-fair-2019-nick-hayek/

 

運営方法に不満!

元々、スウォッチグループはバーゼルワールドでも1階の一番奥だったので目立たなくて不満があったのだと思います。

入場して最初にあるブルガリやパテック、ロレックス、ウブロ、ゼニスと言ったところの場所を欲しがっていると聞いたこともあります。

しかも出展料が物凄く高額なのでここをコストカットするという事は、これからの時代においてメディアへの露出なども含め新しい動きを作ってくるのではないかと思います。

そういった意味ではこれからのプロモーションを象徴するような出来事にスウォッチは動き出したという気がしさえします。

MCHグループという会社(施設管理会社)がバーゼルワールドのコンベンションセンターを運営しているのですが、時計産業界とMCHグループの間に大きな溝があるみたいですね。

MCHグループは拡張したコンベンションセンターの資金を回収したい!という思惑と、出展者側は投資した分の経費は回収できるような展示会にしたい!という思いの方向性が違うのでしょうがないのかも知れません。

7月28日付けのスイスの地元紙NZZでスウォッチグループ総帥ニック・ハイエックがインタビューに答えて、バーゼルワールド出店取止めの意向が判明したのですが、その為にMCHグループの株は10%以上の値下がりを見せています。

それだけバーゼルワールドにおけるスウォッチグループの撤退は大きいとスイスでも考えられている証拠ですね。


引用元:https://www.bloomberg.co.jp/quote/MCHN:SW

バーゼルワールドは合理的ではない?

フランク・ミュラーはWPHHというグループで独自の展示会を開催していますし、過去には2000以上ものブランドが出展していたのに2018年には650以下にまで落ち込んでいました。

SIHH(ジュネーブサロン)のほうが規模が小さいものの、SIHH(ジュネーブサロン)に出展先を変えるブランドもあり存在感は増しています。

またスイスだけでなく世界中でフェアが行われており、バーゼルワールドの存在意義は薄れて来またと言わざるを得ません。

日本でも顧客(主に正規代理店)に向けたイベントが頻繁に行われ、商談がなされているのに、わざわざスイスで行う意味ってあるのか?と問われれば、合理的に考えれば「ない」ですよね。

日本法人がない時代・輸送方法が限られていた時代・インターネットがなかった時代においては、スイスに行かないと商品は見られなかったと思うので意味はあったと思います。

でも現代においては、スイス本国の意向をきちんと理解している日本法人が取引先である正規代理店に情報を落とし、新作を紹介するほうがよっぽど相手にも理解してもらえるような気がします。

私みたいな時計好きとしては、一堂に世界中のブランドの時計を見ることが出来る場ですのでとても魅力的ですが、ビジネスとして考えている企業からしたらメリットは薄いように感じます。

見本市に頼らない販売戦略の多様化

今回のスウォッチグループというブレゲを始めとした大看板を持つブランドの集合体が出展中止するという舵切りは、バーゼルワールドの運営や存続自体に大きな影響があります。

今までのような新作を発表したり商談をするという手法はコスト面から考えると割りに合わないのでしょう。

また、各社の新作もバーゼル後に発表する動きも現在では活発で各国だけで発売する限定や一部店舗のみでの発売するモデルはバーゼルワールドでは見ることは出来ません。

バーゼルに合わせて年間計画を作り新作を用意するということ自体に疑問があってもおかしくありません。

さらに、今現在は「ブティック」と呼ばれるメーカーが直接経営している店舗が全世界的にネットワークが出来上がっており、そこだけで販売出来る非常に魅力的な直営店限定モデルも多く存在します。

今年はスウォッチではオメガがSNSを通じてインターネットでウルトラマンモデルを発売する等、発表、販売手法も変わって来ています。

まとめ

何年も前から何かがあるとバーゼル消滅か?と良く雑誌などで騒がれていましたが、SIHH(ジュネーブサロン)も例外ではなく、バーゼルワールドが消滅すれば、やめていく流れができ、やがて無くなってしまうと考えられます。

また、世界各地の小さな専門店ではブースに入って商談することを嫌い、外で新作の写真のみ撮って帰るという店もあり、恐らく商談自体も減っているという現実もあります。

バーゼルワールドはSIHH(ジュネーブサロン)に比べても規模が大きいですし、LVMHはゼニスやタグホイヤーなどは両方に出展しているので費用負担は半端ないと思います。

年に1回しかないのですから、コンパクトなフェアを世界各国で行う方がスピード感もあって良いのでしょう。

これからの時計販売は、ブティック・ECサイト・SNSに焦点を合わせて、ブランド自体が販売スタイルを変えて行くのかも知れません。

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