kevinです。
アンティークロレックスにカテゴライズされる希少なロレックスがあります。
アンティークロレックスはとても人気で高値で取引きされています。
そのアンティークとしての価値を守りたいときに、正規のカスタマーサービスである「日本ロレックス」にオーバーホールに出すと思うわぬ落とし穴があるかも知れません。
アンティークロレックスを日本ロレックスにオーバーホールに出したときにどのような対応をされるのか、予想される点をまとめました。
アンティークロレックスとは?
「アンティーク」という言葉の定義ですが、私が質屋業界にいた時によく言われていたのは「100年以上前の骨とう品・芸術品」のことでした。
日本とヨーロッパではアンティークの意味合いは少し違うなとは個人的に感じています。
「品物」によっても違うと感じています。
ズバリ腕時計は100年に満たないものもアンティークというカテゴリーに入ってしまっています。
ロレックスの創業は1905年ですから2018年現在で創業113年とそれほど長くありません。
つまり、腕時計の中古業界で言う「アンティークロレックス」は100年に満たないロレックスもアンティークと呼ばれています。
腕時計のメーカーの創業年がそれほど古くない企業も多いことや腕時計が機械であるということで100年以上前の製品が現存して出回っていることのほうが珍しいのです。
機械ですから50年くらい前の物でも十分古くて価値があるのです。
よく言われる「アンティークロレックス」は、最近では資産価値の面から見ると手巻きデイトナを始めとしたスポーツモデル中心の4桁品番のロレックス全般を指すことが多いです。
実際のアンティークはプリンス、カメレオンや懐中時計、バブルバック、スピードキングなどのオイスターシリーズと言ったところになります。
全然知らないという方も多いのではないでしょうか?
バブルの頃から2000年代初頭まではサブマリーナなどよりもバブルバックの方が玄人好みで高額で取引されており腕時計専門店などはバブルバック求むというような広告も出していました。
バブルバックなどの1930年代頃のアンティークロレックスについては真贋鑑定が出来るお店も限られてますし、日本ロレックスでの修理もまず断られますので所有後のリスクが高いです。
一般のユーザーは敬遠しておく方が無難としている方が多いので、価格も落ち着いているものが多いです。
アンティークロレックスを日本ロレックスにオーバーホールに出すと予想される対応
たとえば、「手巻きのデイトナ」は状態によりますがもうすでに修理が出来ないことが予想されます。
アンティークの醍醐味はオリジナルの状態をいかに維持していくかだと思うのですが、メーカーである日本ロレックスはあくまで日常において使うことを大前提に、「使える」状態に直すことを目指しますから、文字盤の傷や色褪せ、インデックスや針の夜光塗料が機能していないとか、剥がれなどの危険性やケース研磨による過度な摩耗まで、『全て交換』前提で修理対応という事が多いです。
放射線物質を含むトリチウムは今現在使用を禁止されてますので、補修部品として日本ロレックスでは使用しません。
修理となると、トリチウムではなくスーパールミノバで塗られている針に交換となります。
手巻きのデイトナだと文字盤も持っていないはずなので、補修としてインデックスをスーパールミノバで塗り直しになります。
なので、今現在所有している時計の針や文字盤の夜光塗料が光らないものの場合に、修理見積もりの内容をしっかりと見ないで承諾して修理してしまうと、部品は返却されずピカピカの新品になってしまいます。
当然、当時の風合いがすべて損なわれますからアンティークとしての価値はゼロになりますし、馬鹿にならない出費にもなります。
ちなみに、機能を損なう部品は返却しないというスタンスらしいので、年々、部品の返却される確率は減っているようです。
返却された部品の転売や模倣品作りに悪用されるのを防ぎたいようです。
どうしても部品を残したい場合
あくまでも部品がメンテナンスに耐えられるようなコンディションを維持していることが前提ですが、部品を残したいのであれば、オーバーホールだけを受け付けてくれて、調整もでき、パーツストックも持っているような信用の出来る日ロレ以外のショップを探さなければなりません。
部品のコンディションが悪く、交換しなければどうにもならない状態の物の場合は、どうしても部品交換をしたくないのであれば、修理は出来ないという事になります。
それでも、腕の良い修理屋さんもあるので、部品交換ナシで頑張ってくれることもあると思います。
ただ、本来交換前提の部品をすべて生かさなければいけない分リスクを背負いますから、注意事項も多く作業工賃自体割高になる場合もあります。
また、信用に背いてしまうお店も悲しいことに多数あります。
技術力がなく時計を壊してしまったり、部品や時計ををすり替えられてトラブルになるということもあります。
まとめ
アンティークを所有するということは、最新の品物よりも耐久性のないものを大切にいかに持ち続けるか、ということです。
購入する場合のコンディションの見極めが重要なのは言うまでもありません。
また日本ロレックス以外で修理されたロレックスで社外の部品で修理されたものは、『改造品』扱いになるので、アンティークであるということは関係なく、「全て純正部品への交換を受諾する」か「自分自身で元に戻す」選択をしないと修理を受け付けてもらえません。
手間も楽しめる方でないと、アンティークを価値あるまま、所有し続けるのはなかなか難しいかも知れないですね。
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