マニュファクチュールの時計ブランドの定義について

時計全般

kevinです。

皆さんは「マニュファクチュール」という言葉をご存知でしょうか?

 

ムーブメントから自社一貫製造しているブランドのことをそう呼びます。

ちなみに反対語は「エタブリスール」といいまして、エポーシュと呼ばれるセリタやエタなどの汎用性のある他社のムーブメントを買って入れているメーカーさんのことをそう呼びます。

 

しかし、スイスは伝統的にケースはケース屋さん、文字盤は文字盤屋さんという風に分かれて生産しています。

ムーブメントに至っては、設計屋さんがいて、ひげゼンマイを作っているところがいて、ルビーを作っているところがいてなど、本当に沢山分かれているので、厳密に単体でムーブメント全部を作れるメーカーさんはほとんどないのです。

 

また、部分専門製造のメーカーさんが多く、自社ですと言いつつ調べてみると、子会社が作ってるとか複数の会社で資金を出し合って設立された会社なんてこともあります。

さらに通常の品物の多くは自社だけど、「クロノグラフは買ってます」というような一時期のロレックスやパテックフィリップなどのメーカーもあります。

そうなってくると、「どこまでがマニュファクチュールなの?」というと正直、線引きが非常に難しいのです。

そして、マニュファクチュールと言わしめるのに必要な、自社キャリバーの部品の中で製造が難しい部品と言われているのが「ひげゼンマイ」です。

長いこと完全自社製造で「ひげゼンマイ」まで作っているブランドは、セイコーやシチズンだけと言われてきました。

 

これはひげゼンマイは作るのが難しくノウハウを持っているメーカーさんが少ないんです。

マニュファクチュールを謳っている時計の展開図を見てみると、別々のメーカーなのに、同じひげゼンマイを使っているのに気が付くときがあります。

それを作っているのはスウォッチグループ傘下の「ニヴァロックス・ファー社」です。

スイスでは圧倒的なシェアを持っており、実に8割以上がニヴァロックスの製品です。

そして、その「ひげゼンマイ」を搭載するムーブメントを作っているETA社もスウォッチグループ傘下です。

今はETAムーブを購入すればおのずと付いてきますが、部品のみの供給はしなくなりましたので、ムーブメントごと買うしかなく、そうなると各メーカーさんもETAムーブ搭載の商品をやめるわけにもいかなくなるという非常に上手な商売と言えると思います。

 

最近ではオメガやブレゲが「シリコン製のひげゼンマイ」を用いており、これにより「磁気帯びしづらくなりました」と宣伝していますが、他社も色々見ると同時期に、同じような改良をしましたと言っているメーカーさんも多いことから、ニヴァロックス社が研究開発に成功し、発売したので一気に普及したのかなという風に読み取れるのです。

 

つまり、「ひげゼンマイ」まで自社で作っているメーカーとして考えてしまうと、セイコー、シチズン位になってしまいます。

 

「ひげゼンマイ」に関しては考慮しなければ、いわゆる自社ムーブだと公言しているメーカーとしてみると以下になります。

・パテックフィリップ
・ジャガールクルト
・ランゲ&ゾーネ
・オーデマピゲ
・ヴァシュロンコンスタンタン
・グラスヒュッテオリジナル
・ロレックス
・ブレゲ
・セイコー
・シチズン
・ゼニス
・ブライトリング
・ピアジェ
・ショパール
・ジラールペルゴ
・モーザー
・モリッツグロスマン
・ブレゲ
・ランゲ&ハイネ
・シャウアー
・ブヘラ
・パネライ
・H・モーザー(自社でひげゼンマイまで作っている数少ないブランド)

などが挙げられます。

本当にたくさんのメーカーに増えます。無いところは無いんじゃないかぐらいになってしまうのです。

カルティエやブルガリ、フレデリックコンスタントなども一部で自社キャリバーです。

改めて考えてみれば、自社キャリバーである事が売りであった時代は終わりになり、高級腕時計であれば前提として当然のように謳わなければならない時代になっているのかも知れません。