引用元:http://citizen.jp/event2016/baselworld/index.html
kevinです。
今年のバーゼルで面白いなと思った品物ですが、Eco-Drive One(エコドライブワン)をご覧になったでしょうか?
この時計はシチズンが今年光発電時計発売40周年のイヤーズモデルとして発表されました。
その売りは何といっても1mmのムーブメントとケース厚2.98mmという本当に薄い時計です!
ムーブメントが1mmというと、昔エクシードゴールドと言うモデルで0.98mmのクォーツムーブメントをシチズンは開発したことがあるのですが、そのノウハウがまさに活きてます。
光発電時計を薄くするのは難しいのです
エコドライブの場合には、電池と同様の針回し用の輪列に加え、基板以外に、2次電池の組み込みが必要になることに加え、充電用のソーラーパネルを文字盤裏に取り付けねばならないので厚くなるのですが、その全てを小さく、薄く作っていかなければいけません。
また、針もギリギリまで取り付け部を短くしていかないといけないですし、ガラスもコーティングの分少し厚い99パーセントクラリティコーティングの両面無反射ガラスも入れなければいけません。
また、後述しますが、素材もしっかりとした強度のあるものでないと、ピッタリとバンドを締め込んだり、転んで手をついた場合などに、腕が張ったりしたら、裏蓋側から輪列や基板をを押し壊しかねないので、薄くしていくのは、想像以上に本当に大変なんです!
機械式と比べるのもなんですが、2014年発表の薄型で有名なピアジェのアルティプラノ900Pは手巻きでケースの厚さが3.65mmなので0.67mmも薄いのです。
実物は限定品の場合、バンドの方が厚いくらいです。
さらに、時計の径自体も38.25mmとアルティプラノの38mmと同じくらいと使いやすいサイズです。
限定モデルには新素材も採用
また、限定モデルのベゼルと裏蓋にに使われるバインダレス超硬合金はバインダー(結合剤)としてのコバルトやニッケルなどを使わず、炭化タングステンを主成分として、生成された素材となり、そこから名前が来ています。
この素材は、ステンレスの実に10倍以上もの硬度を誇ります(ピッカース硬度2100以上)。
ステンレスの10倍の硬度というと、シチズンが得意としているデュラテクトの最上級であるデュラテクトαコーティング(ピッカース硬度2000以上)と、ほぼ同じ硬さを素材で実現するところはさすがです。
また、サーメットという合金を限定モデルではケースに、通常のモデルではベゼルに使用しているのですが、セラミックと金属(メタル)の合金から来る造語です。
セラミックだけのものに比べ金属的な表面の美しさを表現できるという利点があります。
これもピッカース硬度1500を誇りますので非常に傷に強いです。
しかし、シチズンは世界屈指のマニュファクチュールなので、こういった新しい素材使いが本当に上手いです。
これだけの新素材を使って作られたエコドライブワンはエクシードやアテッサに含まれず全く新しいシリーズとして展開していきますので、これからも楽しみです。
ちなみに、価格ですが世界限定800本の品物が70万円、通常品が30万円で、今年の秋に発売予定です。
エコドライブワンについての動画がシチズンからYouTubeにアップされてます。
CITIZEN Eco-Drive One
引用元:YouTube シチズン時計 | CITIZEN WATCH Japan CITIZEN Eco-Drive One
シンプルな2針時計ですが、文字盤の下に見えない魅力がたくさん詰まっている時計です。
この時計が発表された時に、私は久々に鳥肌が立つくらい感動しました。
機械式時計で美しい時計はたくさんありますが、光発電時計で「キレイだな」と感じたのは初めてです(もちろん、まだ実物は見てませんが)。
スイスの高級機械式時計にも引けを取らない仕上がりに脱帽です。
さらに、 Eco-Drive Oneについて詳しく知りたい方は公式サイトもぜひご覧ください(^^)